カクヨムの秀作名作(上から目線)

好きなやつです。異世界おれつえーみたいなのはないです。あんまりないです(多分)。おそらく追加されることもないです(予防線)。転生で唯一好きなのは「幼女戦記」と「無職転生」(2作挙げているのが爆笑ポイント)ですがカクヨム作品ではありませんからここには書きません。そういうやつでオススメあったら教えてください。

 

・キャスカル(大澤めぐみ)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883068777

六度の大戦を経て、航空機が飛躍的な進化を遂げた世界。そこではドッグファイトを中心に戦争が行われています。激化する戦争の中、「キャスカル」と呼ばれる対G性能やら空間把握能力やらに優れた女の子たちがパイロットとして挑発され、空へ上がるというお話です。はっきり言って軍記物としては微妙。しかし人間ドラマの描写は非常に繊細で、心を打つものがあります。少女たちの葛藤を戦争の中で描き出す、というのがメインでありましょうから、手に汗握るドッグファイト描写を期待して読むのは間違いなのでしょう。実際に読めばそれが間違いであることは否応にもわからされますが。

この大澤めぐみさんは他にも多くの作品を投稿されておりまして、特に女子高生を主人公とした一人称小説を得意とされるようです。なろうで言えば「JKハル」に近いと言えるかもしれません。「ジェシカエンジン」「おにぎりスタッバー」なんかが面白かったですし、ぼくは「中年おじさんの作り方」や「いきなりラスダン!?」がお気に入りです。独特の文体が人を選ぶかもしれませんが、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。

 

・The video game with no name(赤野工作) 

https://kakuyomu.jp/works/1177354054880928816

時は2115年、死を間近に控えたゲームオタクが綴るブログという体裁の、一風変わった作品です。レトロゲームと言っても現代(2010年代ね)のゲームはもはや学問の領域であり、2040年以降、我々からすれば未来の、彼からすれば若かりし頃の思い出たるゲームをレビューするわけですね。様々な失敗作が掘り出され、その背景を紐解いていくわけですが、「本当にできるかもしれない」と思わせるものもあり、実際に起こりそうな事例もあり、で唸るばかりです。オチの付け方も秀逸で、カクヨムのシステムにすぎない「連載中」の文字さえも作品の一環なのではないかと思わせる、圧巻の作品であります。well played.

 

・放課後のスープ(長月マシ)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882848340

童貞野郎(暴言)とドS女王様が織り成す謎解きミステリ…の体をなしてはいますがまあこれは恋愛小説でしょう(褒めてます)。

「海亀のスープ」で遊びながら、退屈な業務をこなすふたり。(海亀のスープ自体がわからない人はぐーぐるで検索してください) だんだん進展する二人の甘酸っぱい恋愛に悶えること間違いなしです。

これを書いてる時に気づきましたが、この「掛け合いを楽しむ」という感覚は「狼と香辛料」に近いかもしれません。好きになるわけです。レトリックと言葉遊びを駆使した会話、知的でいいですね。

 

・魔王さま、勇者に婿入りなさるのですか!?(@nana777)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054880773436

元田舎娘の元勇者、現田舎娘が豚の世話をしながら魔王と暮らすのんびりラブコメです。どんくさ…おっとりした勇者の一人称で進みますから、緊迫した状況でもなんとも気の抜けたふうにすすんでゆきます。先の大澤めぐみさんの言葉を借りれば、「空気感というのは直接に書いてみせてもダメでふんわりと立ち昇ってくる類のものだからディティールにこそ宿る」わけでありまして、その点で言えばこの作品は特に牧歌的といいますかとにかく肩肘張らずに読めるもので、読み終わったあとはあったけぇ……ってなりますね。オススメです。

 

スーパーカブ(トネ コーケン)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054880317669

カブ乗りてえ以外の感情を失った。

FGO7章 絶対魔獣戦線メソポタミア

実装から20時間弱でクリアしました。f:id:impoman1more:20161211213123p:plain

雑感をつらつらと。ネタバレ全開だからまだの人は右上の×ボタンでも押しておいてくれ。

竹箒の通り王道でしたね。魔獣やっつけたぜ!→実は裏ボスがいたぜ!みたいな。ラフムのグロさで吐きそうでした。完全に見た目BETAだし無辜の市民は取り込まれるしでもうね……あのシドゥリさんまでラフムになっちゃったっていうのが最高につらい。しかもあの姿になっても自我を保ってるっていうのがね、もう涙なしにはって。

今回メインヒロイン力高いなって思ったのはケツァルコアトルさん。力尽きたあとにぐだ子の顔思い浮かべて立ち上がるとかやばいでしょ……激アツかよ……ってTwitterで実況しながら攻略していた。ガチャからは出ないけどな!

もうちょっと敵は強くてもよかったかなって思います。ギフトある分敵の強さは断然6章のがきついなー 7章はボスよりラフムの方がきついぐらいの有様だったし。ラストのラッシュもバフ盛り盛りだから耐久面の余裕が出すぎて作業だったのが盛り上がりに欠けた感。面白かったけどね。

以上雑感でした。

某ネトゲでの崩壊録 終

けして甘く見ていたわけではない。だが、ここまでは彼女の抱える闇のほんの序章にすぎないのだということを、私は露も知らずにいたのだ。

きっかけはSkypeで繋がっている数人でのオフ会だったようだ。伝聞調なのは、私自身はそこに参加していないからである。彼女に靡かなかった人間を除いてSkypeでの派閥を形成したマンコは、おそらくこの頃から股を開き始めていたはずだ。一人また一人と蜘蛛の網に絡め取られていくギルドメンバーたち。その糸に仕込まれた毒が全身に回り、我々はついにその咎を受けることになる。

 

マンコが共有倉庫のアイテムを全て持ち逃げし、ギルドを解散したのだ。

 

後から聞いた話によれば、彼らが穴兄弟となったことが発覚した瞬間に嫉妬や憎悪やその他諸々の醜い感情を爆発させた男どもが争いあい、生理中で気分の優れなかったマンコは耳を塞ぐようにギルドを解散したらしい。意味わかんねえ。

とにかくその時私に起きた出来事は、「ログインしたらギルドがなくなっていた」の1点のみであった。

 

かくして私が青春を捧げて育てたギルドは塵と化し、メンバーは散り散りになった。せめて最期を見たかった、というのが正直な感想ではあるが、口惜しく思う気持ちでいっぱいである。

そしてそのゲームが今年の末にサービス終了することを知った。世の流れとは非常なものである。

諸兄におかれては、

1.男性向けコンテンツのコミュニティにマンコを軽率に入れないこと

2.貢ぎを始めるチンポがいればすぐに注意、最悪脱退させること

この2点には十分留意した上で、楽しいオンライン生活を送っていただきたい所存である。

願わくはこの経験が、誰かのコミュニティを守らんことを。

某ネトゲでの崩壊録 3

マンコが加入してからというもの、我々の関係は日増しにおかしくなるばかりだった。決定的だったのは、「貢ぎ」である。

我々のプレイしていたゲームにおいて、敵の攻撃は苛烈かつ即死攻撃などもある中、僧侶の使用する「蘇生魔法」は非常に確率の低いものであった。当然、蘇生確率を上昇させるレア装備はかなり高額で、リアルマネーで約5万円をゲーム内通貨に変換してやっと買えるかどうか、という相場が普通だったのだが、その装備をあろうことか、Aがボーナスを課金してマンコにプレゼントしたのである。

これに味をしめたマンコは、クレクレ行為を頻発するようになる。その範囲は多岐にわたり、装備や消耗アイテムからお使いクエストの代行まで頼むようになっていった。それに乗せられる哀れな子羊たち。正気を保っていたのは、過去にマンコクライシス (膣によってコミュニティを破壊されること) を経験済みのギルドマスターであったOと、同じくマンコクライシスの被害者M、それと私だけだった。

しかし、ゲーム内で正気を保っていたところで現実の波には勝てない。半年前に無職となり失業保険でネトゲ三昧であったOは、この頃からハロワ通いと資格取得に精を出すようになり、ギルドマスターの座を渡すことを決心。

ネトゲにおいてギルドマスターとはその名の通り「マスター」である。共有倉庫の管理や戦利品の分配は常務であり、今日の狩りの行き先までマスターの一存で決定することがあるのだ。

当然揉める。なんだかんだゴタゴタしていたが、結局Aがギルドマスターの座を引き継ぐことになった。今思えば、ここで猛反対できなかったのが私の最大の過ちであろう。

それからというもの、マンコの求心力とでもいうべきものは日増しに高まっていった。言いもしないのに貢がれるレア装備や強化素材にゲーム内通貨の数々、「〜行きたいですぅ」といえば即フルパーティが組めるようになり、収集クエストのクリアに必要なドロップアイテムは優先的にマンコに行き渡るようになった。 

そして迎える、マンコの誕生日。数週間前から誕生日アピールを欠かさなかったマンコの元に、普段より数段高価なプレゼントが届く日である。Nくんは超低確率で現れるレアモンスターから超低確率でドロップする超のつく額のペットを、Yくんは課金ガチャを回して全身分を揃えた華美なドレスのアバター↓を、f:id:impoman1more:20161016215155p:image

そしてAはなんと、

 

 

 

 

 

 

 

ギルドマスターの座を。

 

 

 

 

 

 

かくしてギルドトップに君臨したマンコは、その権勢を欲しいままにし、毒牙を現実世界へと延ばしていくことになる。

 

 

 

こんなに長くなるとは。余裕で1記事に収まるレベルだと思ってたんですけど、どうも筆が乗ってしまって冗長ですね。

続きます。

 

 

某ネトゲでの崩壊録 2

 マンコに私が干され始めてからというもの、私は極力ギルド内でPTを組み、ダンジョンに出かけることにしていた。

しかし折り合いの悪い日というのはあるもので、6人PTのうちヒーラーだけが足りないときが来た。普段であればヒーラーなしで回せる狩場を選択したところだが、その日は連休の中日だった。人も多く、稼げれば戦利品は高値で売りさばける。この日を逃す手はないと、メンバーのひとりが全体チャットで叫んだ。

「鉱山 高難度狩り数h ヒーラー@1」

ほどなくやってきたのはレベル55の僧侶、推奨レベル63の鉱山に挑むには装備もレベルも力不足。まともにステータスを見ずに招待を飛ばしたメンバーを叱責しようとキーボードに手をかけた瞬間、チャットログに文字が浮かんだ。

 

「よろです〜(﹡ˆ﹀ˆ﹡)」

 

 全員に衝撃が走った。マンコだ。

まさかこの嫌われ者の私のPTに好き好んで入ってくる膣がいるとは誰も思っていなかった。不意をつかれた我々は、なされるがままに鉱山へ足を向けることになる。

 

ここでPT構成を確認しておこう。

忍者のYくん、司教のNくんとAくん、サムライ兼ギルドマスターのOくん、そしてマンコ僧侶、私。この6人だった。

以下、メンバーはこの名前で呼称しようと思う。

 

果たして狩場に到着した我々は、ヒール技術に一抹の不安を抱えながらも狩りを開始した。予想に反してプレイヤースキルはまともであったが、ステータス不足でじりじりと消耗していくマンコ。それを見守る我々。時間は刻々と過ぎ、やがて私は一つの違和感に気づいた。

後ろで魔法を撃っているべきAくんが、じりじりと前に出てきている。その立ち位置はまるで、マンコを流れ弾から守っているかのようだった。

私が注意すると大人しく引き下がるが、しばらくするとまた前に出てくる。やはりおかしい。この場の狩りに支障はないが、後できっちり問い詰めておくべきだなと心に刻んだころに、マンコがこんなことを言い出した。

 

「疲れちゃったんですけど、ちょっと休憩できませんか〜?^^」

 

舐めてんのかこのクソアマ。MMOは限られたリソースを如何に管理するかがキモであり、休憩など許されない。我々は72時間耐久狩りまでしたことのある仲であったので採択はされないはずだったが、ここでAくんの発言が投下される。

 

「おっけー、じゃあ休憩にしよう^^」

 

は?

 

明らかにおかしい。そう思ったが、紳士な私はPTチャットで問い詰めることはせず、まずはAくんにウィスパーで聞いてみる。

 

私:なんで休憩とか言ったん?

A:いや、マンコちゃん疲れたって言ってるんだしちょっと休もうや

私:普段休憩してないやろ

私:時間の無駄じゃん

A:お前そんなんだから童貞なんじゃねーの

私:いや男とか女とか関係ないやろ……

 

悲しいかな童貞である。なんかうまいこと丸め込まれて、15分ほど休憩を取った。

そして狩りの終わり、戦利品を売却しゴールドを分配したところで問題が発生する。

 

A:そういえばマンコちゃん、ギルドは?

マンコ:入ってないです〜

A:そっか!良かったらさ、ウチ来ない?

マンコ:え!いいんですか^^

 

 

あ???????

 

なんだこいつは。マンコに魅了の魔法でもかけられているのか?さすがに苦言を挟む。

 

私:さすがに急すぎでしょ

私:Yもなんか言ってやれ

Y:いいんじゃねえの

Y:やる気あるみたいだし

 

 

どうやらマンコの危険性に気づいているのは私だけのようだった。その場で声高に叫ぶこともできず、私は「このマンコはまともかもしれない」と祈ることしかできないままに、彼女はギルドに加入する運びとなった。

 

 

 

3に続きます。

某ネトゲでの崩壊録 1

 あれは冬の始まり、こたつが恋しくなり始める頃のことだった。

とある友人に誘われて「難攻不落」を謳う某MMOをインストールした私は、あっという間にその虜となり1日15時間を費やす廃人と化した。総課金額は3ヶ月で50万を突破し、金にモノを言わせて露天で装備を買い漁り薄暗い迷宮にこもり続けているうちに押しも押されぬ名君主となった。

 わかる方にしかわからない情報で申し訳ないが、当時の装備は全身+8まで強化したMaster防具ばかりで、防御力1700という数値を叩き出していた。平均的な最前線の君主は1100、いいとこ1200であったのを考えると(自分で言うのもなんだが)驚異的である。

 

 他のゲームの例に漏れず盾役が不足していた環境で、いつでもログインしていてどのダンジョンにも対応できる私はギルド内ばかりでなくプレイヤーの中でも「便利な盾」としての立ち位置を得ていた。コール1つで呼び出せるクソニートというわけである。だがキャラは1人私は1人、必然的に同時に参加できるPTも1つ。

 

 そこで現れるのがマンコである。

 

 やつらはどこにでも生息する。そして強欲で、どこまでも貪欲な生き物だ。やつらからしてみれば私は「アタシの攻略を手伝うナイトの一角」なのだろうが、こっちはクソどうでもいい。媚を売られても優先的にマンコPTに入るなんてことはしないのである。

 

 それが気に食わなかったのだろう、やがて複数のマンコが私を叩き始めた。当然取り巻きのナイト様たちも私を攻撃し始める。あの世界にはPK(プレイヤーキル。その名の通りプレイヤーキャラクターを攻撃し死体から装備やアイテムを漁る行為)が存在し、徒党を組んで襲われることもしばしばだった。

 私は身内としかダンジョンに赴かないことを決めた。収入が減るのはマイナス点だったが、煩わしいプレイヤーを引き当てるのはもっとマイナスだからだ。

そうして半年が経ち、とあるヒーラーがギルドに加入した瞬間から、私の最大の崩壊劇が始まった。

 

 

 

筆を進めるうちに長くなってしまったので続きはまた書きます。